近年、産業構造の変化やグローバル化、国際競争の激化等、イノベーションを取り巻く状況は劇的に変化しています。社会の発展に寄与するイノベーションを創出し、我が国として発展を続けていくためには、従来以上に産学官が一体となった連携が要請されています。大学・国立研究開発法人は、産学官連携活動の活発化・多様化を推進する大胆な社会との連携（「組織」対「組織」の共同研究等）が求められていますが、同時にこれまでにない多様なリスクの発生が懸念されています。それらリスクの要因を巡っては、もし大学・国立研究開発法人が組織として適切に対応せずに放置してしまうと、産学官連携活動の推進が見込めないばかりか、組織自体のインテグリティ（社会的信頼）が損なわれることになります。そこで、産学官連携の推進には、リスクマネジメント強化によるインテグリティの確立は必須といえます。他方、適切なリスクマネジメントの実現、その高度化は、学長・理事長等のリーダーシップ無くして実現しないといえます。本ガイダンスは、大学及び研究開発法人等の関係者の皆様に組織として産学官連携リスクマネジメントに取り組むことの意義・必要性をご理解いただくことを目的にしています。皆様の機関における産学連携リスクマネジメントの強化の一助になりましたら幸いです。